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zoom RSS 「クリーブランド美術館展」と「人間国宝展」 於東京国立博物館

<<   作成日時 : 2014/02/13 23:00   >>

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クリーブランド美術館展では、伊年印(俵屋宗達の工房)の「雷神図屏風」が出迎えてくれるが、いかにも俵屋宗達風という感じの屏風であるが、雷神の顔を見詰めていても、あまり感動はしない。面白かったのは室町時代に書かれた「霊昭女図」という墨絵で、室町期なのに浮世絵みたいな感じの女性が描かれている。また室町時代の「福富草紙絵巻」は、庶民の活力あふれる様子を画いており、興味深い。全巻の解説でもあれば読みたいものだ。日本の絵は曾我蕭白の「蘭亭曲水図」、雪村の「龍虎図屏風」が記憶に残るが、この虎など、竹があるから虎という顔で間が抜けており、あまり良い絵とは思わない。仏画も多いが、芸術品という感じではない。

西洋画が4点来ていたが、アンリ・ルソーの「トラとバッファローの戦い」がルソーらしくて面白い。ルソーは色使いが独特に鮮やかで、絵は下手だけど印象に残る。ここのピカソは若作で面白いが、モリゾとともに感動はしない。

人間国宝展が予想以上に面白く、良かった。今の人間国宝が手本にした古い時代のものも一緒に展示しているものもあり、工夫された展示である。
刀剣は研ぎで小野光敬氏。だけど無礼なことに、研師の名前が出品リストには掲載されておらず、研いだ作品の城和泉守の正宗の名前だけ。これだと他の分野と同様に古作の展示という位置づけ。藤代松雄氏などは展示されていない。刀鍛冶は高橋貞次、宮入行平、月山貞一、隅谷正峯、大隅俊平、天田昭次の6氏が展示されている。拝見すると、今の現代刀工(私が拝見している範囲であるが)の吉原義人氏や大野義光氏の丁字刃の方が隅谷氏に勝ると思うし、河内國平氏、宮入法廣氏、宮入小左衛門氏も過去の人間国宝に匹敵すると思う。昔は薫山、寒山の両山氏という強力な推挙者がいて、現在は、刀剣団体の不祥事や、分裂によって推挙されないのならば残念だ。

鐔は、米光光正の肥後象嵌鐔の写しが楽寿と並んで展示してあった。人間国宝にふさわしいと思う。こういう展覧会を観ると、現代の鐔工作家にも奮起をうながしたい。周りの金属作家は先を進んでいるような感じだ。鐔などの形状や材質を一度放れて製作し、再度、伝統的な鐔に戻ってくるぐらいの発想で奮起してほしい。もっとも、こういうことをするとコンクールでは除外される可能性がある。また鐔だけ工夫しても浮いてしまうから、刀装全体を現代にふさわしい意匠で造り上げ、その中の鐔としないと、難しいだろう。

「広がる伝統の可能性」というコーナーは面白かった。松井康成の「深山紅」という壺は全面にひび割れみたいな模様が入り、色も薄紅色というか美しい色で感動した。黒田辰秋の「朱漆で木をひねったような模様にした火鉢」も楽しい。竹細工の生野祥雲斎の複雑、かつ美しい竹の花器も素晴らしい。

漆の松田権六の「赤とんぼ蒔絵箱」など本当に見事である。ただ、昔の漆芸の力強さは、まだでていない。

染色、織物も多く出ていたが、江戸時代のものが横に展示してあると、技術はまだまだだと思う。しかし、デザインなどを現代風にしたものには、それはそれで素晴らしいと思える。
この傾向は他の分野でも感じられる。技術でなく、デザイン、造形で勝負。これも現代作家らしくていいと思えるようになった。

オリジナルで南宋の青磁が出ていたが、いいものだ。先日拝見した高麗青磁にはぬくもりがあるが、南宋の方は完璧主義だ。

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