第24回浮世絵オークション

この週末に、第24回浮世絵オークションが開催される。下見会に出向くが、今回は写楽が4枚出ている。摺り、保存の状態での価格であるが、下値はそれほど高くはない。やはり大首絵は魅力的だ。今回、写楽の魅力の一つは目の描き方、目の表情にあるのかなと思った。
1枚、写楽としては格安の下値のがあったが、懇意の浮き世商に伺うと、紙を補修してあったり、と言うことで、専門家としては、こういう値段もありかなというものだそうだ。ただし、オークションだから、下値はともかくとして、価格は飛ぶ可能性もある。

私の好きな広重の「名所江戸百景」シリーズも初摺りと思われる手が何枚か出品されていた。絵もそれなりに面白く、下値が安いものを検討して、浮世絵商に相談すると、この価格の近辺では落札できず、最低でも下値の1.5倍程度は出さないと落ちないだろうとのことだった。おそらく、カタログを見たお客さんからの札をお持ちなのだと思う。そこまで追いかけて入手したい絵でもなく、今回はお願いしなかった。

近代版画の土屋光逸などの夜の良い風景画も多く出品されていた。川瀬巴水の人気に比べると、割安だと思うが、人気というものは理屈を超えたところにある。

広重の3枚続きの風景画の「木曽路の山川」「武蔵金澤八勝夜景」「阿波鳴門の風景」なども絵として魅力がある。どうしても3枚続きでもあり、高くなるが、「さすが」と思う。

五十三次の蒲原の初摺りの手(中段のぼかしではなく、天ぼかしの手)の保存状態の良いものが下値1000万円で出品されていた。高いものだが、紙の焼けも少なく、追いかける人には当然の価格なのだと思う。

2代豊国の「名勝八景」シリーズも良い。「大山夜雨」は魅力的で、色の褪色も少なく、下値は40万円と比較的安価で札を入れようとも考えたが、よく見ると、中折れを補修してあり、持つと気になるかと考え、やめる。浮世絵界ではどもかくとして世間では知られていないが、いい作者と思う。

棟方志功の1メートル近くの「文殊菩薩の柵」。さすがに迫力もあり、菩薩の優しさもあり、大した物。そこらに出てくる棟方作品とはレベルの違うものである。下値が350万円であり、昔に比べると安くなっていると感じる。

肉筆浮世絵も出ているが、掛け軸であり、人気はないようだ。掛け軸の表装だけでも、金が掛かっているだろうと思われるものもある。

なんでもそうだが、いいものを観るのは勉強になる。

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この記事へのコメント

清宮 純
2013年10月13日 11:22
 おはようございます。いっもながらの行動力と美術品を見る鋭い感性に、先生の懐の広さを感じております。誠に「いいものを観るのは勉強になる」との言葉は、全てに通じるものがありますね。即ち愛刀家の心構えでもありましょう。鋭い指摘でありました。

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