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zoom RSS 「武士マニュアル」 氏家幹人 著

<<   作成日時 : 2013/09/07 12:07   >>

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軽薄なタイトルだが、歴史学者が書いたものである。江戸時代の武士は、どういう点に留意して過ごしたか、何を指摘されると家の取り潰し、召し放たれたのかを調べているが、その一環で読んだ。
この本は戦国時代の武士は、塚原卜伝の『卜伝百首』、同様に江戸時代初期、江戸時代中期、江戸時代末期と、時代ごとに、いくつかの本を紹介し、その内容から、武士の日常を抜き出している。

塚原卜伝の『卜伝百首』は実戦的、な内容であり、例えば「武士のその名をあぐるためしには 昔も今も馬をこそいへ」(馬が大事。手柄は馬、山内一豊の逸話も当然のこと)とある。また、私の趣味の刀剣、鐔には次の言葉がある。
「切るるとて新身の太刀を帯ぶ人は 必ず不覚ありと知るべし」(新身は実戦に留意)
「鍔はただ太きにしくはなきものを 細きを好む人ぞ拙き」(鐔は大きい方がいい)
「新鍔は如何に厚くも切れぬべし たとへ薄きも古き好めり」(だけど新鐔は大きくても注意)

江戸初期では、大番衆などの役目についた武士が覚えるべきことを狂歌風にした『番衆狂歌』。これは、日々のお役目の中で、いかに行動すべきかの手引き。いかに失敗しないかということである。だから、上司、同僚との付き合い方や、「手習いと読書の道を急ぐべし 無筆無学はならぬ役人」と学問の重要性を言ったり、便所が滑りやすいから用心せよとか、脇差を便所に落とさぬようになどの注意がある。

武士のプライドを損なうような行動(卑怯、臆病風に吹かれるなど)を戒めている。例えば、ケンカをしたとき、相手が逃げたら大音声で逃げたことを知らせる「卑怯者、逃げるな」と言う。こうしないとケンカ相手を撃ち果たせなかった理由を証明できない。また、刀を抜いた武士が来たら、刀に臆したと思われないように「刀を納めよ」と声をかけ、事の経緯を尋ねて、事情によっては調停する。

また、武士は逃げ込んできた人間や「頼む」と言われたら、その人間を助けるが、これは戦国からの慣習である。
戦国期は 主家の滅亡で仕官先を転々とかえることが珍しくない。そのときに、信頼できる味方を獲得するための慣習(理非を問わずに助けることで恩を感じさせ、裏切るおそれのない味方にできる)である。また戦功を証明する時には同じ戦場にいた同僚の証言が大事、これが仕官先への口添えとなる。

徳川幕府が成立し、天下泰平になると、こういう方法で味方をつくる必要性が薄れ、どこの誰かを知らない人を無条件に保護する作法が通用しにくくなった。むしろ組織内の上下関係の方が大事になる。でも、この慣習は十八世紀にも大事にされた。

この他に、『志塵通』は庄内藩士小寺信正の著作で、羽織の紐の結び方(刀を抜いた時にひっかからないように)とか肥満は大敵などもある。

また「人を斬った刀は、モグラの皮で拭うと脂が落ちる」が常識だったようだ。そして、試し斬りは斬ったあとの骨の状況を、死体に手を入れて、骨があるべきところで切断されているのなどを確認することが良い切れ味の条件とされた。骨がよれていると、切れてもダメ。



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