「小柄百選」 クロード・チュオーコレクション

フランス人の小柄コレクターの蒐集品100本を図示している本で、昔、拝読したことがあるが、再読した。
小笠原信夫氏がフランス人と日本人の感じ方の違いを浮き彫りにしようとクロード氏にインタビューをしている。
クロード・チュオー氏という個人の見方を、フランス人の見方として、決めつけてはいけないと思うが、次のような感覚の違いは面白い。
1.赤銅はフランスにない黒みを含んだ色彩で好きだ。
2.金でも銀でもフランス人は磨く。(鉄もそうか?)
3.日本の雲は独特だが、日本に行ってみてわかった。フランスにはない雲だ。
4.小柄の獅子はライオンと言うより、犬、特に狆に似ている。
5.日本の虎は美しくない。また龍みたいに眉があるのはおかしい。猫のようにやさしい顔だ。
6.虎は豹の4倍の大きさがあるが、日本では同じ、見たことがないから仕方がないか。
7.個人的に牛は好きでないし、欧州では絵の中に牛がいるとその絵が安くなる。
8.鷹はフランスでも好まれる。ノーブルなものだ。
9.ツバメはフランスでも好かれている。雁も絵の画題になる。鶴はフランスでもめでたい鳥である。
10.花見で酒?フランスでは季節の花の観賞において酒を飲むことはない。

日本人の私は、この100本の作品の中では新井英随の勝川春章の浮世絵の大首絵を写したもの(日本国内では私は観たことがない)、浜野春親の玄徳図が2本(知られていないが、それなり上手な金工)、河野春明の寿老人図と日の出に梅図(春明には上手なものがある)、岩本昆寛の四分一地に赤銅墨象嵌をして片切で龍を彫った図(雲を素銅地に赤銅平象嵌したのは新感覚)、江川利政の猛禽図、石黒政美の猛禽追雁図(それぞれ達者な彫り)、無銘で伝大岡政孝の木の木目のような象嵌を入れた地金の小柄(これも地の仕立てを日本では観ない)、無銘ながら柳川直政に極めている一輪牡丹図などに目を惹かれる。

無銘の埋忠の刻み鞘風のそれぞれに色々な平象嵌をしているものを、「(平象嵌技法の)商品見本のようだ」と評する感覚も面白い。

なお「鳥居に筆書図」という画題を付けている小柄が2本あるが、これは千社札を貼っている図ではなかろうか。






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