「刀装金工鑑定必携」 若山泡沫 著

この本は、鑑定という言葉がタイトルにあるが、ほとんど刀装具の鑑定に役立つ話はない。それよりも刀装、刀装具の各部位(例えば栗形、小口など)の言葉の解説や、材料(例えば四分一、赤銅など)の説明、形状(例えば鐔の木瓜形、撫角形などや、ハバキの加州ハバキ、尾張ハバキなど)の図示が中心である。

そして最後に『金工事典』の中から有名金工を抜き出して、その記事をつけている。写真は形状などの説明用に掲載されているだけである。

著者の執筆の狙いは、刀装、刀装具の用語の統一にあるのかもしれないが、そうであれば、本のタイトルはふさわしくない。
2、3鑑定に役立つこととして、葵紋の形状の推移のことなどがあったが、これを書くならば、徳川一門諸家の葵紋の違いなどもあわせて書いて欲しかった。

若山氏が意図しているように、用語の統一も大事なことだと思う。言葉が違うと調書も、書く人によって異なってしまう。しかし、これも山金と言っても、いくつかの色目があり、難しいものだと思う。刀装、刀装具の方は、写真があれば、ある程度はわかるが、刀で写真が撮れずに言葉での説明になると闇の中である。

著者の若山泡沫氏のご著書では、「金工事典」「刀装具銘字大系」「刀装小道具講座」にお世話になっており、偉大な業績であると尊敬している。こういう方であるから、この本の企画は出版社の方から持ちかけられたのであろう。用語の統一だけでは本は売れないから、このようなタイトルにしたのだと思う。
いずれにしても、若山氏の本の内容をどうのこうのと言わずに、若山氏の用語の統一という問題意識を、我々が解決していくことが大事だと思う。


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