「江戸諸国萬案内」 江戸文化歴史検定協会 編

この本は江戸文化歴史検定公式テキスト「中級編」とある。このようなご当地検定も行われているのだろう。
読者の興味をひくように、例えば江戸城の将軍の一日を紹介する時は、元江戸城で将軍のお側に仕えた竹本要斎という人物が書いた本を口語に訳して、その中で説明するような工夫をしている。
東海道の旅、特にその中で大井川の川渡しで名高い島田宿の実態を説明する時には弥次喜多を登場させている。しかし、このような読み物仕立てにしても、引用するデータには原典、出所を明記しており、参考になる。
江戸の大奥、幕臣、外食文化、新田開発と江戸近郊の農村、旅、出版、対外貿易などの章ごとに記してあるが、これを読むと江戸時代後期になると、色々な史料が残っているものだと改めて思う。
巻末に江戸時代の享保6年と弘化3年の全国及び各国ごとの人口調査の結果が掲載されているが、この間、全国では約3.2%の伸びだが、薩摩は62.3%、周防は65.5%も伸びている。これを見ただけで維新における薩長の力が理解できる。
また文化5年には江戸市中に貸し本屋が656軒あったことなども驚きである。当時、初版は400部くらい摺ったようだが、貸し本屋に1冊行き渡るだけで、初版は売り切ってしまうことになる。出版業も栄えるわけだ。

このように、なかなかに興味深い内容が詰まっている本である。

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