「小津安二郎大全集」(DVD)の内、「東京物語」

大地震で、会社にも出社をするのを控えていた時、ゆっくり自宅で映画でもと思い、本屋で見つけて購入した。DVDも買ったり、録画すると意外に見ないものだが、昨日、この中の「東京物語」を観た。9枚入って2000円もしなかったからお買い得である。
今、NHKのBSプレミアムで山田洋次監督が日本映画50選として選定し、順次放映しているが、その1作目も「東京物語」であった。
昔、観た時は関西弁で言うところの「しんきくさい」面もあり、退屈だった印象もあるが、観る方の私が歳をとってきたためか、今回はしみじみとした感をいだいた。良い映画である。
古今東西に共通する親子(それも年老いた親と働き盛りの子)に生ずる心理を見事に描いている。親を大事にしない子どもたちの心理もわかるし、そのような兄、姉に嫌悪を持つ未婚の末娘の心理もわかる。
医者の長男、美容師の長女、それに大阪にいる三男、それぞれ、どこにでもいそうな共感できる子の姿である。共感というより、自分が親に接した時の醜い姿を演じてくれていて、「そうだったよね」と共感できるという意味である。

亡くなった次男の嫁という立場の原節子演じるところの義理の娘のやさしさも理解できる。他人ゆえのやさしさ(親子と違って永続しなくていいわけだ)である。親孝行はしないのにボランティアに精出す子と同じことである。そして、最後に原節子が本音を述べる。このあたりが小津監督のうまさだと思う。

原節子は改めて絶世の美人だと思う。時代に先駆け過ぎたような感も持つ。
これは好みだが、女優は、隣に見かけるような綺麗な可愛い娘よりも、巷にはいない美女、雰囲気がある方が私は好みである。最近では夏目雅子である。こういう女優が、女性のあらゆる側面、例えば清楚、妖艶、母性、けなげさ、賢さ、馬鹿さを演じるのがいい。いつも同じパターンの清純派ではつまらない。

白黒のフィルムだが、綺麗な画面であった。カメラを少し下方から撮るのも小津監督の手法らしいが、落ち着いた感じを与える。動きのあるところは横、上からも撮っている。


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック