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zoom RSS 「昭和資材帳11 法隆寺の至宝 西円堂奉納品ー武具・髪飾りほかー」

<<   作成日時 : 2017/12/07 08:06  

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法隆寺の西円堂には、多くの古い拵が奉納されている。ここは薬師如来が祀られていて、その信仰の為に、男は武具、女性は鏡や化粧小物などを奉納したようで、堂内には、それらが溢れかえっているそうだ。刀剣・拵などは約4200口現存しているとのこと。大半は庶民のもので名刀や豪華な拵はない。もちろん存在したのかもしれないが、盗難にあったり、日清・日露戦争時に軍刀として献上したこともあったようだ。

この本には、多くの図版が写真で掲載されているが、膨大なものであり、主なもの以外は白黒写真で小さく掲げられているに過ぎない。だから詳しくはわからない。また一振りごとの説明も図版にはついていない。
文章としては「西円堂奉納の武具」(宮崎隆旨)、「西円堂奉納の奉納額・髪飾りほか」があり、他に「総目録(データ)」と「銘文資料」がある。

「西円堂奉納の武具」(宮崎隆旨)を読むと、旧堂は永承5年(1050)に破損し、現在の建物は建長2年(1250)の再建。薬師如来が本尊で、その祈願のために男は武具、女は鏡や装身具を奉納した。鏡の奉納銘は元徳3年(1331)があるが武具の確実な奉納銘は天文5年(1536)が古く、以後は江戸時代前期までをピークにして、以降は減少している。
昭和13年に末永雅雄氏が調査をされている。薬師如来だから、刀剣を奉納したからといって祈願の内容が武運長久ではなく、病悩平癒などであり、また奉納された刀剣類も庶民のものと考えられている。

奉納時期が多い天文〜江戸前期までは農民も足軽も動員されたわけで、刀剣は庶民にも身近なものだったわけだ。もちろん江戸時代も帯刀できないだけで、刀剣所持は咎められてはいない。

刀身は約1650口。その他、刀身と遊離した鞘や柄があり、それらを加味すると約4200口である。著者は刀剣の専門家でないようで、刀剣の分類などは、紹介するとかえって混乱するような分類である。

大半が廉価の刀装である。俗に天正拵と称されるものの下級品である。もちろん柄糸がボロボロになり、鞘の塗りの剥げたものが大半である。
鐔の写真も、小さく、白黒であり、文様などは透かしていなければわからないものばかりで900枚近くが掲載されている。
古甲冑師鐔や古刀匠というようなものが多い。透かしのない板鐔も多い。櫃穴は無櫃も多いし、片櫃(小柄)、両櫃もある。
透かし鐔もあるが、現在の愛好家が好むような尾張、京透かしはほとんどない。金山のようなものもわずかである。

また西円堂の刀装で、特異なのは俗に馬手指と呼ばれる外装が57口(鞘のみ40口)ある。これについては私も考えがあり、別途、論をまとめたいと考えている。

国会図書館に行ったから同時に「日本古文化研究所報告 第8 法隆寺西円堂奉納武器武具」(末永雅雄著 日本古文化研究所編)のデジタル版を拝読した。
概算数量は刀剣刀鞘等 約6千余口、鐔約900、槍、長刀15とある。次のような内容である。
刀装は、江戸初期までは、黒漆鞘に簡単な柄巻き、中期以降は各種の色漆多くなる、初期にも少量だが朱漆、鮫鞘、切り継ぎしたものもある。
室町以前の外装を有する刀剣は立派な刀身も多い。しかし無銘で打ち下ろしのままのもある。室町中期以降も同じである。名刀級ではなく、大和の則長、備前の則光や祐定、豊後の高田などがあるが、無銘刀が大半。彫りもない。内外装ともに質素。そして実戦的なものである。刀は銘文のあるものだけを簡単に調書にとっているようだ。

短い刀が多いが、長いもの日清・日露戦争時に供出した可能性もある。

腰刀(外装)柄は黒鮫をかぶせた上を革で平菱に巻き、片手打ちスタイルが多い。柄は短く、鐔なしもある。

目貫は差表にのみ入れたものもある。目貫がないものや、その位置で柄巻に結び目をつけたものもある。また片面だけ金属で他は木の目貫もある。
鐔は鉄以外に革を2枚あわせて表面に塗漆。金物は銅もしくは粗悪なメッキなどもある。

鐔は手法簡単な透かし彫りや板鐔が大部分である。甲冑師鐔など案外新しい可能性もある。片櫃穴も多い。敵刃から斬撃を受けたとおぼしきものはわずか1、2枚。

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