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zoom RSS 「没後40年 幻の画家 不染鉄展」 於東京ステーションギャラリー

<<   作成日時 : 2017/08/24 22:15   >>

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暑い日が戻る。今日は耳鼻科に出向いた後に、標記の展覧会に出向く。不染鉄は明治24年に、東京小石川の光円寺の住職の息子として生まれる。本名は哲治と言うようだが、絵には鐵二とも号していた。
日本画を学び、写生旅行先の伊豆大島で3年ほど漁師暮らしを始めた。この写生旅行の時かどこかで村山槐多とも交流があったような解説があった。
その後、京都市立絵画専門学校に入学し、首席で卒業。戦後は奈良で学校の校長をやりながら、画壇と距離を置いて作画してきた。この展覧会では5部構成になっている。

「1.郷愁の家」で、彼が漁港や奈良や京都の民家を画いたような絵が陳列されている。民家の藁葺き屋根などを細かく画かずに面全体に色を塗って表現する。屋根らしい形状に色の濃淡を付けており、それが立体的に見えてなるほどと思う。

「2.憧憬の山水」では、山水画のような絵が並んでいる。この中の「冬」は良かった。雪を強調したい所は白い胡粉か何かで画いているのか、印象的な白である。背景の山の線や木々を描く線は細く強い。山々は逞しい。昭和初期頃の作品のようだ。

「3.聖なる塔・富士」は富士山と薬師寺の三重塔を題材にした絵である。富士山は平面的で富士山らしい形状の山を描いている。ある意味パターン化した形なのだが、富士山以外の背景は細かい筆致である。何となく力強い。
薬師寺三重塔も斜めではなく正面から画いた絵であり、塔そのものの立体感はない。これも模様としてパターン化したような感じである。周りに画かれた山、木々、民家の絵が細かい線と、大胆な面で構成されている。

「4.孤高の海」はでは「南海之海」という題でいくつか出品されているが、その内の一枚は好きな絵だ。波の表現が装飾的なようで、リアリティが充満している。海の中に1、2匹の魚をいたづら書き的に線書きしているようなところもある。波の上に舟がある。伊豆大島時代の思い出のようだ。この波はこの作者独特で美しい。

「5.回想の風景」では「夢殿」の絵がいい。法隆寺の夢殿をしっかりしたデッサン風に描き、そこに雨が降っている絵だが、崇高な感じがしてくる。
また「山」は奈良の山並みだと思うが、様々な緑、茶などの色を使って細かく、ちょっと抽象的に画いていて、迫力のあるものだ。枝、岩の小さな塊が大きな絵を構成しているような絵で、奈良県立美術館の所蔵品である。
それから、自分が生まれた光円寺にあったという大きなイチョウの黄葉の時期を描いた絵もいくつかあったが、一番大きな絵は胸に迫ってくるものがある。
また晩年は「柿」を画きたかったようで、柿の赤、種々な赤、橙色を抽象的にとらえた絵もあった。
またはがき絵として書いた作品もたくさん展示されていた。はがき絵でなくても、絵に文字を入れている作品も目立つのが不染鉄の絵である。
奈良の赤膚焼の陶磁器の絵や織物の下絵を画いた作品も展示されていた。

世の中には知られていないが、いい絵を画いている人もいるわけであり、このような展覧会は意義がある。会期末に近いが、観客は少なかった。ここは学芸員がいいのでしょうね。いい展覧会を企画している。

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